機械使用中のトラブルは非常にやっかいなものです。ベルトトラブルについては、単に「新品に取り替える」のみでなく、その原因を取り除き、正しく使うことでベルト機能を十分に発揮し、寿命を延ばすこともできます。
ベルトトラブルの代表的な現象および主な要因を下表に紹介しますので、トラブル発生の際、適切な処置をお取りください。
 

要   因 (チェック項目) 処   置



ベルトの張りがゆるすぎませんか。


オーバーロードになっていませんか。
 


油や水の付着はありませんか。
 
適正な張りを与えてください。


ベルト幅の増大または適正な径のアイドラプーリを取り付けて
ください。

油や水のを完全に除去してください。
ベルトカバーの取付けで付着を防止してください。






負荷変動・ショックが大きすぎませんか。
ベルトの伝動容量以上の条件で使っていませんか。
ベルトの本数は所定本数掛けられていますか。
決められたベルト形が使われていますか。


熱が高く屈曲疲労が大きくなるような使われ方になって
いませんか。(プーリ径・曲げ角度の小さすぎ・回転数が過大)

張りがゆるくてスリップしていませんか。




設計変更の要素はありますが、所定の形・本数は掛けてくだ
さい。(ベルト仕様を用途に応じて1ランク上げてください。)

 


放熱の処置を取ってください。
設計変更・・・プーリ径、回転数、曲げ角度の変更。

適正な張りを与えてください。

張りがゆるくてスリップしていませんか。

高温下で使われていませんか。

油などが付着していませんか。

過小なプーリ径で使用していませんか。
背面テンションによる逆曲げが強すぎませんか。

油などが付着していませんか。
適正な張りを与えてください。

放熱の処置を取ってください。

油の付着、油モレを直してください。


設計変更。
 

ベルトカバー等を取付けてください。


テンションプーリ径が小さすぎませんか。

曲げ角度はきつすぎ(小さすぎ)ませんか。

張りがゆるくてスリップしていませんか。
テンションプーリ径を大きくしてください。

曲げ角度をゆるめてください。

適正な張りを与えてください。

プーリ溝のサビやプーリ溝面の仕上が荒くなっていませんか。

張りがゆるくてスリップしていませんか。

プーリ取付角度は適正ですか。


プーリ溝角度は適正ですか。
プーリ形状に異常はありませんか。
プーリ溝に傷はありませんか。
プーリ溝面を均等に仕上げてください。

適正な張りを与えてください。

アライアントを1/3度以下に修正してください。



プーリを取替えてください。

 






機械本体の据付けが不安定で共振していませんか。
 



多本掛けのベルト長さが不揃いになっていませんか。
(ベルトは同時期に取り替えていますか)
 


アイドラプーリの取付けで適正な張りを与えてください。
軸間距離を変更してください。



多本掛けのベルトの取り替えは一度に全量取り替えてください。
SET FREEベルトを使用してください。
(バンデットタイプのご使用をお奨めします)

ベルトの伝動容量以上で使われていませんか。


変形状態で使われていませんか。
屈曲疲労が大きくなるような使い方はされていませんか。
過小なプーリ径で使用していませんか。

ベルト仕様、形、掛け本数を正しく掛けてください。



設計変更をご検討ください。

 




急停止、、急起動の使い方をしていませんか。
ベルトの張りがゆるすぎませんか。

オーバーロードになっていませんか。

ベルトの選び方を間違っていませんか。
設計変更、なめらかな運転をご検討ください。
適正な張りを与えてください。

ベルト幅の増大または掛け本数を増やしてください。

使用条件に合ったベルト種類、仕様、タイプを選んでください。





プーリ取付角度は適正ですか。



プーリ溝の傷や仕上面の荒さによるベルトの摩耗はありま
せんか。
プーリ溝角度は適正ですか。
プーリ溝の摩耗。



多本掛けの場合、ベルト長さが不揃いになっていませんか。

 

アライアントを1/3度以下に修正してください。




プーリの取り替えを行ってください。


 



SET FREEベルトを使用してください。
同時に全部新品に替えてください。古いベルトとの併用は長さ
および応力に対する伸びが不揃いとなり耐久力を減少させます。